あなたが商品を販売するときは、見込み客にベネフィットをアピールすることが必要です。しかし、ベネフィットについて間違った考え方をしている人が多いので、ベネフィットに深く関わるFABの公式をもとに説明していきます。
ベネフィットは単なる利益ではない
そもそもよく聞くベネフィットですが、単なる利益と勘違いしている方が非常に多く、間違った認識をしているケースが見受けられます。
利益と言えば「いくら儲かった」というお金の面だけに意識が向いてしまいそうですが、その先にある理想の未来像がベネフィットなわけです。
例えばアーティストのLIVEで考えてみましょう。
僕はLIVEの雰囲気が好きで、CDなどの音源では味わえない感動に魅力を感じているので、好きなアーティストのLIVEに足を運ぶわけですが、入場にはチケットが必要ですよね。
だいたい6、7,000円くらいでしょうか?
しかし僕はチケットというただの紙切れにお金を払っているわけではありません。チケットを買うことによって得られる未来像(楽しくて感動)にお金を払っています。
つまり、ベネフィットはそれぞれのケースごとに違った性質を持っていることになります。
アーティストは商品(チケット)をアピールをするのではなく、チケットを買った後に楽しめるベネフィットを僕たちに伝えるわけですね。この場合は、もちろん戦略的ではなく無意識にやっていることです。
逆に、僕たちがベネフィットを伝えるときは、商品の機能そのものを伝えることも大切ですが、お客さんに機能を提供した後で生まれるベネフィットに焦点を当ててアピールしていくことがポイントです。
FABの公式とは?
FABの公式は以下の単語の頭文字をとったものです。
- Feature(機能)
- Advantage(特徴・利点)
- Benefit(利益)
FABの公式では、商品の機能やサービスの特徴を通じて理想の未来像を提供するために必要なステップを表しています。それでは、あなたがどのようにベネフィットを認識すべきなのか、説明していきます。
Feature(機能)
それではFeatureをPCで考えてみましょう。
- CPU
- メモリ
- ハードディスク
- 防水機能
- 軽くて薄い
商品には必ず機能面が付加されています。逆にいえば、これらの機能を満たさないかぎりPCとは言えませんよね(笑)
Advantage(特徴・利点)
次に、Featureから考え出せるAdvantageを洗い出してみましょう。
- CPU・・・・・・・・・Corei7
- メモリ・・・・・・・・16GB
- ハードディスク・・・・512GB
- 防水機能・・・・・・・雨でも安心
- 軽くて薄い・・・・・・持ち歩きに便利
各機能ごとに、どんな特徴や利点(PCならスペック)があるか考えていきます。
- CPUがCorei7だから動画編集もサクサク
- メモリが16GBだからフリーズとサヨナラ
- ハードディスクも容量が多くて娘の写真も沢山保存できる
このように、Advantageを考えるときは機能に対して具体的な効果を考えていきましょう。言い換えれば機能に問いかけをして効果を認識するようなイメージです。
Benefit(利益)
機能面で得たAdvantageをBenefitに変換しましょう。
あなたが狙うべきターゲットを決めた後にBenefitを提供していけばいいですね。ターゲットは「保険の営業をしているお姉さん」だとします。
例えば「このPCは軽くて薄いので持ち運びに便利で、バッグの中にある資料やメイク用具の邪魔になりません。しかもスペックが高く容量が多いのでストレスフリーな事務処理ができますし、大事なお客さんのデータを大切に守れますよ!」
今回のケースは太字部分がベネフィットになりますが、応用すれば、ターゲットに複数のベネフィットを与えることもできます(複数の切り口)。
ベネフィットはブランディングやターゲットで効果が変わる
ここまでFABの公式を説明してきましたが、ベネフィットはブランディングやターゲットによって効果が大きく変わってくることを理解してください。
ベネフィットはブランディングを高めるためのツールに過ぎません。何も知らない人に購入してもらうためには、ベネフィットが必要になりますが、あなたに対するブランディングが高ければ、ベネフィットをゴリ押しする必要はありません。
この場合、あなた自信がベネフィットになっているからです。つまり、FABの公式はブランディングを高めるために使うということ。
さらに、ターゲットが商品に対し既に豊富な知識を持っている場合、ベネフィットを伝えることがデメリットになる可能性があります。
その場合は淡々と機能面や特徴を説明するべきです。情熱的にベネフィットを伝えようとしても、ただのイタイ人になってしまいますからね(笑)
大切なことは、提供する価値を柔軟に使い分けることです。そのためにはターゲットとの信頼度や属性を理解して、ベネフィットを提供するか、機能面(Feature、Advantage)を説明するのか。
常に相手の目線で考えることが大切ですね!
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